補講第3回 「なぜエディターじゃなきゃ駄目なの?」
 

 今回はしがーさんの質問です! みなさん、拍手を!
 では、早速質問行ってみよう!
>ゲームのシナリオを書くときにエディターだとなぜいいのですか?


◆エディターとワープロの違い

 おい、ボクチン。なぜエディターだと駄目なんだ。言ってみろ。
 ――ぼくちんが駄目と言ったから。
 バキッ!
 真面目に答えんかい。
 ――ぐほお……せっかくぼけてあげたのに。
 ぼけんでええ。
 ――ワープロだと高いからじゃないの? みんなボクチンみたいなブルジョアじゃないし。
 バキイッ! ドガッ! バキィッ! ドガドガッ、バキ〜〜〜〜ッ!
 ――ほ、ほげえ……う、うそでしゅう……貧乏の言い間違いでしゅう……
 よし。今度こそまともに答えを言うてみよ。
 ――きりっ! だって、ワープロは文字を装飾するためのものじゃん。ゲームのシナリオに文字装飾なんかいらないし……。
 おお。まともなことを言ったな。
 ――ぼくちん、いつもまとも。
 うそつけ。
 元々、ワープロは文字装飾をするためのものだ。文字をでかくしたり、ルビを振ったり、三段組みにしたり、目指すところはDTP。
 しかし、エディターは違う。元々、プログラマーがプログラム言語を書くためのものだ。
 ――じゃあ、文章は向かないんじゃないの。
 いや、文字装飾やら書式設定やら、邪魔な情報が入っていないからいいのだ。ちなみに、富士通のオアシスというワープロの文書をエディターで開くと、やたらめった訳分からん記号が入って来る。
 たとえば……

              フ08`!0078鏡裕之フ08`!0000ゥ                             
            タタフ05'" フ05b" フ05b$ フ08`!0078タr●フ08`!008C音楽タチフ08`!0000タsゥ                 

 ――何、これ?
 ワープロ独特の、書式設定やらいろんな情報が混ざってるんだよ。
 ――謎の文書だ。
 こんなのでプログラマーに渡せると思うか?
 ――無理。
 だから、ワープロでは駄目なのだ。


◆ワープロは検索・置換が弱い(かつ、遅い)

 ――でもさ、ワープロで書いてテキスト形式で保存したらだめなの? 余計な情報が入らなきゃいいんでしょ? ワープロ固有の形式で保存しなきゃいいんじゃないの? 
 だめ。
 プログラム的な絡み以外にもな、実用的な理由があるのだよ。
検索・置換機能がエディターに比べて貧弱かつ遅鈍なのだ。
 ――え? 痴漢? お姉さ〜〜〜ん!
 バキ〜〜〜〜ッ!
 ――ひでぶ。
 来ると思ったわい。
 ――せっかく日頃の恨みを晴らすべく抱きついてあげようと思ったのに、いぢわる。
 いらんわい。
 ――そんなにワープロって貧弱なの?
 エディターが0.5秒で終えることを、数秒かかったりする。場合によっては、10秒近くなんてことも……。
 ――ぐ。
 おまけに、グローバル検索が出来ない
 ――グローバル検索?
 普通、検索というのはすでに開いているファイルを対象にするもんだが、開いていないファイルも調べて検索することができるのだ。それをグローバル検索という。一度に10数個のファイルを扱うゲームのシナリオには、なくてはならぬ機能だ。
 ――おお、便利。
 だが、それがない。
 おまけに、正規表現といって、「|」(または)や改行記号を探し出す機能も、ワープロにはない。ワードだけだったんじゃないかな。
 ――むむむ。
 さらに言えば、ワープロの場合、別画面(別ファイル)への切り替えが面倒だ。いちいちツールバーからウインドウを選んでから選択しなきゃならん。
 ――それって面倒くさいの?
 たわけ!
 ゲームのシナリオはな、一度に10個以上のファイルを開くんだぞ。いちいちウインドウを押して切り替えていられるか!
 F2キーひとつで切り換え用画面が登場、矢印キーで選択して一発切り換えできたほうがいい!
 ――エディターはできるの?
 もちろん! シナリオを書くなら、断然エディターの方が操作性もよし、プログラムとのことを考えてもいいのだ!
 ――ぼくちん、少しだけ賢くなった。
 わかったか。
  ――うん、わかった。じゃ、ぼくちんphotoshopでシナリオ書こう。レイヤーを駆使するぞお!
 だれがレイヤーを使って書くんじゃ、ぼけ〜〜〜っ!
 ――あ、間違えた。Shadeだった。
 なんで3Dソフトが必要なんだ! 3Dレンダリングで文字書くな〜〜〜〜〜っ!

 

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